サッカーが本当に上手い人は、余計なことをしないで、余計なことをさせる。
シンプルにできるということ
もっとシンプルにやれ!
簡単にボールを離せ!
という育成年代の指導者の声が聞こえてくる。
私は思うのだ。
シンプルにやるっていうのは自分のところに来たボールを簡単に、素早く誰かにパスすることなのだろうかと。
この疑問は自分が子供の頃から感じていたことだ。
ボールを簡単に素早く、パスして勝てるサッカーなんてサッカーとは言わないのである。
サッカーの奥深さがわからない人が指導者をやってはいけないのである。
サッカーの本質を知る人、サッカーの本質的な面白さを知る人は決して簡単に”シンプルにやれなどとは言わない。
「バルセロナを観てごらん。みんな簡単にパスしてシンプルにやってるよ」
「うちはバルセロナのようなパスサッカーをやるんだ」
などという人をみると全然わかってないなと思う。
シンプルにやれるということ
シンプルにやるとはどういうことか。
サッカーをシンプルにやれる選手というのは、サッカーの流れを、ゲームの流れを感じることができる。
流れの中でパスをするべきかドリブルをするべきか、キープして時間をつくるべきかを的確に判断してそれを実行できること。
そして余計なことをしない選手のことを言う。
サッカーが本当に上手い人は、余計なことをしないで、余計なことをさせる
私がいままで一緒にプレーした選手で本当に上手い選手を一言で表現するとこうなる。
”余計なことをしないで、余計なことをさせる”
ボールを奪いに行くと逃げられ、パスするだろうと思って止まってしまうとドリブルされてしまう。
簡単にパスする選手だなと思ってたらいきなりキレキレのドリブルで抜き去られたり。
全然動かないな。走らない選手だな。と思って油断してたらゴール前まで長距離を猛烈にダッシュしゴールに絡むプレーをしたりする。
つまり、相手に頭の中を読ませない。
余計な力を使わずに、いかに相手を消耗させるかということなのだ。
サッカーの奥行を知ることなしにシンプルにやることはできない
サッカーの表面的な部分しか知らない大人が少年サッカー界に多すぎる。
サッカーの奥行を知る人間はピッチ上で安易に「シンプルにやれ」なんて言わない。
サッカーの本質的な”駆け引き”ができない子たちに”シンプルにプレーすることの本質”がわかるわけがないのである。
サッカーの楽しみをしっかり伝えるなら、奥行のある情景を見せてやらなければいけない。
感じさせてやらなきゃいけない。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…
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